ゾディアック事件

1968年12月20日金曜日

ゾディアック事件(ゾディアックじけん、英: Zodiac Killer)は、アメリカ合衆国で発生した連続殺人事件。現在も継続捜査中の未解決事件である。
「ゾディアック」とは英語で黄道帯を意味する語だが、犯人が声明文の中で「私はゾディアックだ(This is the Zodiac speaking.)」の一節を頻繁に用いたことでその名称として知られるようになった。


ゾディアック事件
場所
アメリカ合衆国カリフォルニア州 サンフランシスコ
日付
1968年 – 1974年
概要
サンフランシスコで発生した連続殺人事件
死亡者
5人(自称37人)
負傷者
2人
犯人
不明(犯人の親族を名乗る人物有)
概要
1968年から1974年にかけて、カリフォルニア州サンフランシスコ市内で若いカップルを中心に少なくとも5名が殺害された。
犯行後に警察やマスコミへ多量の犯行声明文を送りつけたことから、「劇場型犯罪」の一つとして有名である。
アメリカでも特に有名な未解決殺人事件として知られ、現在に至るまで真犯人についての証言や主張が多く寄せられている。
1986年、ロバート・グレイスミスが事件について独自の調査を行った『Zodiac』という本を出版した。
彼はサンフランシスコ・クロニクル(犯行声明文が送られた新聞社の一つ)に風刺漫画家として在籍しているときに、事件に遭遇し、関心を持っていたためである。
一連の事件
1968年12月20日 – 17歳男性と16歳女性の未成年カップルが、サンフランシスコ近郊のベニシアにあるハーマン湖(Lake Herman Road)で射殺された。
1969年7月4日 – 19歳男性と22歳女性がヴァレーホの駐車場(the parking lot of Blue Rock Springs Park)で銃撃され、男性は瀕死の重傷を負い、女性は搬送先の病院で死亡した。
同年7月5日 – ヴァレホ警察に男性の声で「前述の2件とそれ以前に行われた殺人、そのいずれも自分が実行した」と、犯人しか知り得ない情報を含む電話がかけられた。
その後すぐに指定した場所に駆けつけると、被害者である2人が発見された。
同年同月から翌月にかけて、ゾディアックを称する人物からサンフランシスコ湾域警察、『タイムズ・ヘラルド』とサンフランシスコ在の新聞2社、著名人らへ一部暗号化されたものを含み多量の手紙が送付された。
同年9月27日 – 20歳男性と22歳女性のカップルが、ベリエッサ(Berryessa)湖畔で覆面の男にナイフで襲われる。ナパ警察はゾディアックからの電話を受けて新たな犠牲者カップルを発見し、男性は生存するも女性は同月29日に死亡した。
同年10月11日 – 29歳のタクシー運転手が、サンフランシスコ近郊のプレシディオハイツ(the Presidio Heights)で射殺され、財布を奪われた。
10日後、ゾディアックは運転手の血が付いたシャツ断片を地元新聞社へ送り、警察署へ電話、「弁護に就いてくれるなら自首する」と名指しで伝え「テレビ番組で電話出演する」旨の発言をした。
その後、テレビ番組で指名された弁護士出演のもと、ゾディアックからの連絡を待ち、本人と思われる人物から連絡が実際に来たものの、結局ゾディアックが自首することはなかった。
1974年 – ゾディアックから「今まで37人を殺害し、事件を新聞で一層大きく取り扱わないと「何かすさまじいこと」をやる」と記された2通の手紙がサンフランシスコ警察へ届くも、新たな殺人事件は発生せず、これを最後にゾディアックからの連絡が途絶する。
1978年4月24日 – 新聞社などへ「自分は復活した」と、ゾディアックを称する人物からの手紙が送付される。
しかし、ここでも新たな事件は発生しなかったため、模倣者による悪戯と見られている。
1981年 – 連続殺人容疑者が逮捕され、ゾディアック事件も彼の仕業と目されるが、手口や物証に食い違いが多く別人と判明する。
被疑者
1990年代、ニューヨークでこの事件を模倣した連続殺人が発生した。
結局被疑者の逮捕に至らなかったが、IQ136を誇るアーサー・リー・アレンが最有力容疑者候補とされた。
当人の死後、彼の犯行を裏付ける証拠品が見つかった為である。
しかし後に手紙についていた唾液のDNA鑑定によって無実と断定された。
2009年、カリフォルニア州南部在住の女性が「私の父が真犯人で1983年にガンで死亡した」と名乗るも、この人物は以前に「自分はジョン・F・ケネディの非嫡出子」などと根拠のない主張をしていたことなどから、信憑性はないと見られている。
2014年、ゲーリー・L・スチュワートが自分を捨てた父親アール・ヴァン・ベスト・ジュニア(Earl Van Best Jr.)がゾディアックだとする本を出版した。日本でも翌年『殺人鬼ゾディアック――犯罪史上最悪の猟奇事件、その隠された真実』(亜紀書房)の名で公刊された。
スチュワートが実父をゾディアックではないかと思った理由として、犯人のモンタージュ画の顔がそっくりであること、犯行声明文に『ミカド』からの引用文があるが、著者の祖父はメソジスト系の海軍従軍牧師で、戦前まで青山学院を本拠地に宣教活動をしていた関係で、アールは両親とともに日本で暮らした経験があり、『ミカド』の一節をよく口ずさんでいたという親戚の証言があること、戦時中日本軍の暗号解読の任務についていた祖父の影響で、実父も暗号作りの遊びをよくしていたこと、被害女性たちが著者の実母に似ていること、指紋の傷が同じであることなどを挙げている。
同書では父親がゾディアックであるという確証は示されていない。
だが、2017年、日本のテレビ番組『奇跡体験!アンビリバボー』において、これらに加えてDNA鑑定と筆跡鑑定を行っていることを明かした。
警察に依頼したDNA鑑定の結果は知らされておらず、民間の鑑定人に依頼した筆跡鑑定については、「同一人物である可能性が非常に高い」との結果を得ていると言う。
2015年、フロリダの元保安官代理キンバレー・マグガースは、各種の状況証拠に基づいて、「BTK絞殺魔」として知られるデニス・レイダー受刑者こそがゾディアックであるという著書を発表した。
関連作品
ドキュメンタリー
『あなたは解けるか?伝説の殺人鬼の暗号』
 製作年 2017年
 原題 The Hunt for the Zodiac Killer
映画
『ダーティハリー』
製作年 1971年
出演 クリント・イーストウッド
連続殺人犯スコルピオのモデル。
『サンフランシスコ 連続殺人鬼』
製作年 1971年
原題 The Zodiac Killer
『エクソシスト3』
原題 The Exorcist III
製作年 1990年
製作・監督・脚本・原作:ウィリアム・ピーター・ブラッディ
出演 ジョージ・C・スコット、ジェイソン・ミラー、ブラッド・ドゥーリフ、エド・フランダース
双子座殺人事件のモデル。
映画『エクソシスト』(1973)及び小説『エクソシスト』(1971) の正当続編として書かれた小説『Legion』(1983)が原作。
『実録!! ゾディアック ~血に飢えた殺人鬼の刻印~』
製作年 1999年
原題 Case Reopened: The Zodiac with Lawrence Block
監督 ケヴィン・マッカーシー
ドキュメンタリー映画
『ゾディアック』
製作年 2005年
原題 THE ZODIAC
日本未公開
監督 アレクサンダー・バークレー
出演 ジャスティン・チャンバース、ロビン・タニー、ロリー・カルキン、ウィリアム・メイポーザー
『ゾディアック キラー』
製作年 2005年
原題 The Zodiac Killer
監督 ウーリー・ロメル
日本未公開
『ゾディアック』
全米公開 2007年3月 日本公開 2007年6月
監督 デヴィッド・フィンチャー
出演 ジェイク・ギレンホール、ロバート・ダウニー・Jr、マーク・ラファロ、アンソニー・エドワーズ
ドラマ
『ゾディアック~十二宮の殺人』 フランス
刑事ナッシュ・ブリッジス 第16話「伝説の殺人鬼」(原題「Zodiac」)で模倣犯が登場。
『クリミナル・マインド FBI行動分析課』シーズン7 第11話に模倣犯が登場。

コメント

タイトルとURLをコピーしました