富山市会社役員夫婦放火殺人事件

2010年代
2010年04月20日火曜日

富山市会社役員夫婦放火殺人事件(とやましかいしゃやくいんふうふほうかさつじんじけん)とは、2010年4月20日に富山県富山市で発生した放火殺人事件。
被疑者は逮捕されておらず、現在も未解決となっている。2013年10月17日、警察庁捜査特別報奨金事件に指定された。


概要
2010年4月20日12時20分ごろ、富山県富山市大泉にある3階建ての2階部分から出火。
焼け跡の寝室から79歳男性と74歳女性の夫婦の遺体が発見された。
近隣の住民によると、被害者夫婦は数年前にビルを買い取り、2人で暮らしていた。
被害者男性は不動産業など複数の事業を手掛けていたという。
富山県警察の調べによると、被害者女性の遺体には首を絞められた跡があり、被害者男性も首を圧迫されたことによる窒息死であることがわかった。
首を絞められたあと、放火されたものとみている。
容疑者の逮捕
2010年6月、週刊文春に対してCD-Rと一枚の手書き現場見取り図が送付されていた。
富山県警は週刊文春に対し任意提出を求めたが、取材源の秘匿を理由に拒否していた。
2012年8月1日、県警は差し押さえ令状によりCD-Rを押収。
中には動機や困窮した現状について記されており、「格差社会のゆがみにはまり、憎悪を増幅させてしまったいきさつについて手記として書き記したい」「私の生活は困窮している。
私のやり遂げなければならないことにもお金がかかる」などと金銭を要求するものだった。
見取り図は犯人または警察および消防の一部しか知りえない情報であった。
またCD-Rを解析する過程で文書作成者として被害者の知人であった富山県警察官の名前がローマ字で残されていたことが判明し、捜査機関は富山県警察官に嫌疑を向けた。
同年10月31日に捜査情報を漏洩したとして富山県警察官(当時54歳)は地方公務員法違反(守秘義務)で逮捕された。
その後、11月21日に別の捜査情報の漏洩について地方公務員法違反(守秘義務)で再逮捕された。
同年12月22日に放火殺人事件について殺人及び現住建造物等放火と死体損壊の疑いで逮捕された。
当初は放火殺人事件の容疑を認めていた被疑者は「被害者と話していたら電話がかかってきた」と供述しており、出火する数十分前に被害者宅に電話がかかった事実があったことから秘密の暴露と判断されていた。
また被疑者には余罪として2008年7月13日に富山市の親族宅に侵入して財布を盗み、同16日には別の親族宅で金庫を壊し数十万円相当の金塊と現金十数万円を盗んだ容疑が浮上。
事件現場には被疑者の懐中電灯が遺留していたが、被疑者は「車上狙いに遭って盗まれた」と虚偽の届けをしていた。
2012年の捜査の過程で窃盗事件への関与が発覚したが、親族間窃盗は告訴がなければ起訴できず、親族が告訴しなかったため、窃盗罪については不起訴処分となった。
不起訴
被疑者は当初は容疑を認めていたが、起訴の可否を判断する段階で以下の点がネックとなり、2013年1月11日に精神鑑定、同年5月21日に処分保留、同年7月24日に富山地方検察庁は「複数の疑問点がある」として嫌疑不十分で不起訴処分とした。
週刊文春へ送ったCD-Rの作成時期について被疑者は「6月上旬」と供述しているが、実際の記録は「5月12日」であり、「1ヶ月」のズレがあること
週刊文春へ送ったCD-Rの作成時期に記録されている「5月12日」は被疑者は当時の所属だった富山県高岡警察署留置管理課で勤務していてアリバイがあること
週刊文春へ送ったCD-Rの文書ソフトのバージョンが被疑者が使用したと説明したノートパソコンのものと異なること
被疑者のノートパソコンにCD-Rに絡む文章を作成した痕跡がなかったこと
被疑者は「夫婦の首をひもで絞めた」と供述したが、法医学者の一部が手で絞めた扼殺の可能性を指摘していること
事件前後に通ったという道路の防犯カメラに被疑者が映っていないこと
被疑者の供述では凶器や財布を川に捨てたとあるが、現場を捜索しても凶器や財布が見つからないこと
動機について「30年以上前からの付き合いの積み重ねでやった。親の恨みが子供に引き継がれることもある」と供述しているが、裏付けが取れないこと
2013年5月の処分保留以降「自分がやったのか分からない」と被疑者の供述が曖昧になったこと
男性は殺人容疑とは別に、知人に捜査情報を漏らした地方公務員法(守秘義務)違反で2012年12月7日に起訴されており、2013年3月25日で懲戒免職となった。
こちらについては同年7月25日、富山地方裁判所が懲役1年・執行猶予4年の判決を言い渡した。
これにより、同日被告は富山拘置所から釈放された。
被害者の遺族は事件発覚直後の捜査段階の早期において被疑者のアリバイが調べられなかったこと、週刊文春が所有する犯人から送られてきたCD-Rについて早期に令状で押収しなかったことに不信感を持っている。
2013年8月2日、不起訴処分を不当だとして富山検察審査会に審査を申し立てた。
2014年7月17日付で富山検察審査会は不起訴相当を議決した。
議決書では「事件の約3時間後に元富山県警察官が21万円を現金自動預払機に入金していた」とする証拠が初めて明らかになったが、被害者の財布に入っていた金額が不明であるために事件との関連を示すことはできないとされて「犯人性を裏付ける証拠とはならない」と結論付けられ、「何らかの形で犯行に関与したのではないかという疑問は最後まで残る」と疑念も示した上で「直接証拠は見当たらず、自白を裏付ける証拠も見当たらない」とした。
7月18日の昼に議決書が公表されたが、朝の段階で北日本新聞が「起訴相当には至らなかった」旨の記事を掲載しており、富山県検察審査協会連合会が北日本新聞社社長や検審関係者らを検察審査会法違反容疑(漏洩違反容疑)で富山県警に告発したが、2015年1月に「警察側から求められた証拠が出せない」として告発を撤回する方針を明らかにした。
2013年10月17日、警察庁捜査特別報奨金事件に指定された。遺族による謝礼金と合わせ、犯人逮捕に繋がる情報には上限額1000万円の懸賞金が支払われる。
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